「押し入れに眠っている古着、ドンドン買います」-。盛岡市に本社を置き、4年前に青森県八戸市で1号店をオープンしたリサイクル古着店「ドンドンダウン オン ウェンズデイ」が、不況を逆手に急成長を続けている。東北、北関東などに24店舗を展開。環境へのこだわりも追い風となり、平成21年度は一気に26店舗を出店し、首都圏にも本格的に進出する計画だ。(中川真)
「ドンドン」は、下着や着用不能なものを除き、どんな服でも「1キロ=30円」で買い取る。これらは「リサイクル古着」として、東南アジアやアフリカに輸出する。良品は「1キロ=500円」、ブランド品はウエブカメラで撮影。インターネットを通して本部社員らが査定して価格を決め、店頭で販売する。
同店を運営するヘイプの岡本昭史社長(40)は、「服を捨てたくないというお客さんが増えた」と話す。過去1年間に買い取った古着は前年の2・2倍に当たる約301万枚、約96トンに上った。
主な客層は30代の団塊ジュニア世代だが、「もったいない」という中高年も目立つようになったという。
岡本社長は米国留学後、国内外で若者向けのビンテージ古着店を経営。東京出身だが平成7年、同業者がまだ少なかった盛岡に拠点を移した。
「流行に左右されず多店舗展開に向く」とリサイクル古着に着目。日本の古着は、リサイクルの普及で複数の人が着た欧米品よりも高品質でよく売れる。廃棄コストに悩むアパレル業界の持ち込みもあるという。
岡本社長は「不況だからこそ、リサイクルのお客さんを増やしたい」と強調する。来店時に古着の良さに接し、購入につなげたい-と期待を寄せる。
ユニークな店名の通り、店頭価格は毎日徐々に下がり、水曜日が最安値。安さとゲーム感覚で消費者の財布のヒモを緩める。
ヘイプの直近の年商は約9億円。これまで出店した「ドンドン」は全店生き残っている。
岡本社長は「古着の市場規模は約4000億円。10年で800店を目指す」と意気込む。ユニークな戦略で、古本のブックオフコーポレーション(全国1040店)のように躍進できるか。注目を集めそうだ。